お部屋食の温泉旅館
朝夕共にお部屋食のある温泉旅館って落ち着いていいですね

朝夕お部屋食

お部屋出し
 電話やインターネットでの予約時に、食事は部屋出しかどうかを聞かれる旅館が多いのではないでしょうか。
 小さな子供がいたり、あるいは記念日を二人きりで祝うなど、特別な理由がある場合ばかりではなく、お部屋だしは旅館を決める際のポイントの一つになっています。
 落語に「宿屋のあだ討ち」という噺がありますが、隣の客室で繰り広げられている宴会がうるさくて眠れないという武士が主役になっています。その他の噺でも、旅先での食事の場面を探してみると、やはり旅籠では客室で食事をしている様子が伺えます。
一泊に対して夕食と朝食の2食が提供されるという旅館の食事の仕組みは、江戸時代の旅籠から受け継がれた機能の一つですが、その食事を客室に「お部屋だしする」という提供の仕組みとセットで受け継がれたと言えそうです。
食事は自炊が基本だった湯治場の宿でも、調理は客室やその廊下、広縁で行い、食事は自室で取っていました。宿や仕出屋に食事を頼む場合も同様で、食事は客室に運ばせています。
 どうやら、歴史家から見ると旅館の食事はお部屋出しが「伝統」だと言えそうです。とはいえ、もともとの食事はお膳ごとに一回で運ぶのがスタンダードで、高級な席でもせいぜいお膳を3回運ぶ程度の対応でした。
全ての客室に作りたてを一品ずつというきめ細やかな対応が期待されるようになったのは近年のことで、グルメブームの影響もあります。

大久保あかね
「あかねラボ主宰・観光学博士」


朝夕お部屋食

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